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株式会社丸又商店(まるまたしょうてん)

創業160年、たまり醤油にこだわり、歴史の味を守り続ける企業
武豊町の東部、JR武豊駅から歩いて10分、港湾部に沿った昔ながらの蔵のある町並みの一角に、来年には創業160年を迎える(資)丸又商店がある。
 武豊が港町として栄え、明治19年、JR東海道線敷設のため日本でも歴史ある鉄道としてJR武豊線が開通した当初、この地で造られたみそ・たまりを積み荷する専用駅も隣にあったらしい。
 蔵に入ると、ぎっしりと大きな桶が並び、香ばしいたまり特有の香りがたちこめ、麹菌で白くなった木の柱の中で、出来上がった"たまり"が桶より糸を引いて流れている。
「昔より使い続けている建物なので、所々痛んできている部分もあるのですが、この麹がマルマタの味を守ってくれているから、なかなか思うように補修も出来ないのですよ」と、苦笑いを浮かべながら、36歳の若さで今年の5月に、6代目として新しく社長に就任した出口智康さんは話す。
 古くよりみそ・たまりの醸造地として最盛期には50軒程の業者があったが、年々その数が減少している。みそとたまりの両方を取り扱う事業者が多いなか、丸又商店では、"たまり"をメインに取り扱ってきた。「原料となる大豆にいいものを使うことは大事だが、必ずしもよい大豆を使ったからといって、よい商品になるとは限らない。大豆の選定も大事だが、それ以上に『どれだけ手をかけてあげるか』ということが最も大事なこと」と彼は言う。大手メーカーでは半年程で生産できるものを、昔からの製法を引き継ぎながら、長いものでは3年、最低でも1年3ヶ月以上の月日をかけて造りあげる。
 一般の「醤油」と比べ、小麦粉を使わず、うまみ成分が多い『たまり醤油』は主に東海3県を中心に生産、消費されているが、刺身用としてだけではなく、煮物などにも使うと絶品。醤油で煮ると時間が経つと硬くなってしまうが、たまりだとそれがない。国内だけでなく、ヨーロッパを中心に海外にも輸出され、実はフランス料理の隠し味としても使われているらしい。
 現在は、業務用が中心となっているが、3年程前に、現社長が自ら作成し、ホームページを手作りで開設した。まだ注文はそれほど多くないが、直接お客様の声が聞ける、小売の分野も今後力を入れていく。
新しい方法も取り入れながら、同業者の集まりや異業種の集う当会の青年部活動にも積極的に参加され、少しずつネットワークの輪も広げているが、でも、基本は、"良い商品をつくりあげること"にこだわり、職人気質が覗く。
 食べる物を扱っているから、安全で、美味しい、体によいものを造って、皆様に喜んで頂きながら、これからも長くこの商売を続けていきたい。-長い歴史を刻んできた会社ならでは最後の一言であった。
創 業: 天保14年(1843年)
代表者: 出口 智康
所在地: 武豊町字里中152
TEL: 0569-73-0006
FAX: 0569-73-3917
定休日: なし
アクセス:
地図を埋め込む/カスタム/サイズ400*500
ホームページ: http://www.marumata.com/
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